スタジオについて
光が生まれる
場所
フィヨルドルーメンのスタジオは、北海道札幌市の中心部に位置しながら、そこに一歩足を踏み入れると、北欧の静寂と日本の精緻さが混ざり合う独自の世界に迷い込む。白い壁と木のフレーム、差し込む自然光——すべてが意図的に設計された「静かな創造の舞台」だ。
私たちは、スタジオを単なる作業場とは考えていません。それは、クリエイターが内省と対話を繰り返しながら、世界の美しさを視覚言語に翻訳していく生きた有機体です。毎朝、光の角度が変わるたびに空間は異なる表情を見せ、それが私たちの創造性を絶えず刺激します。
スタジオには、撮影スペース、デザイン作業エリア、素材ライブラリー、そして静思のための「間の部屋」が共存しています。この空間のすべての要素が、フィヨルドルーメンが追求するビジュアル哲学——「必要なものだけを残し、その美しさを最大化する」——を体現しています。
私たちの空間
静けさが
育む創造
光の方向性を徹底的に計算して設計されたワークスペースは、北向きの柔らかい拡散光と、南向きの直接光の両方を活かした二層構造になっています。
素材サンプル、書籍、標本——スタジオには触れることで感性が研ぎ澄まされるものだけが置かれています。デジタルとアナログ、計算と感性が等価に共存する場所。それが私たちのスタジオです。
訪問をご希望の方は、事前にお問い合わせください。スタジオツアーと創作プロセスの公開は、毎月第一土曜日に行っています。
デザインの起点
Sketches & Process
すべての作品は、白紙の上の一本の線から始まります。スケッチは完成を目指すためではなく、思考を可視化するための行為です。
素材の選定
触れることで
理解される美
私たちのスタジオには、世界各地から集めた数百種の素材サンプルが保管されています。北欧の白木、日本の和紙、アイスランドの溶岩石、デンマークの羊毛——それぞれの素材が持つ固有の質感、重さ、温度、そして光の反射特性を、指先で確かめる行為が創作の出発点となります。
素材選定の基準は、美しさと持続可能性の両立です。環境への影響を最小化しながら、使い手の生活を豊かにする——その矛盾なき追求が、フィヨルドルーメンの素材哲学の核心にあります。
新しい素材との出会いは、偶然の中に宿ります。旅先の市場、自然の中の偶然の発見、職人との対話。その一つひとつが、私たちの素材ライブラリーを豊かにし続けています。
スタジオの理念
4つの哲学
フィヨルドルーメンのすべての創作活動は、四つの中核的な理念によって導かれています。これらは単なるスローガンではなく、毎日の仕事の中で実践される生きた哲学です。
01
自然との対話
Dialogue with Nature
自然は最高のデザイナーである。私たちは自然を模倣するのではなく、自然と対話し、その語りかけに耳を傾ける。季節の変化、光の移ろい、素材の経年変化——すべてが創作の対話相手だ。
02
光の追求
Pursuit of Light
光は私たちにとって最も根本的な素材だ。直接光と拡散光、反射光と透過光——光の質と方向性が空間と物体の本質を決定する。光への深い理解なくして、フィヨルドルーメンの美は生まれない。
03
静寂のデザイン
Design of Silence
真のミニマリズムは、削ることではなく、何を残すかを知ることだ。必要なものだけが残された空間には、静寂という名の豊かさが宿る。余白は空白ではなく、可能性の集積だ。
04
素材の敬意
Respect for Materials
すべての素材は、それ固有の歴史と性格を持つ。木は成長した時間を、石は地球の歴史を宿している。私たちはその存在を尊重し、素材が最も美しく輝ける文脈を見つけ出す。
創作プロセス
スタジオの4つの工程
フィヨルドルーメンのすべてのプロジェクトは、観察から始まり発表へと至る、四つの連続した工程を経て生まれます。それぞれの工程は独立した意味を持ちながら、全体として一つの流れを形成しています。
STEP 01
観察と傾聴
Observe & Listen
環境、素材、クライアントの声、自然の変化——まずすべてを注意深く観察し、傾聴することから始まります。先入観を排除し、対象と真摯に向き合う時間です。
STEP 02
探索と実験
Explore & Experiment
スケッチ、素材テスト、プロトタイプ制作——答えを探すのではなく、問いを深めるための実験の時間。失敗は過程の一部であり、最も重要な学習の場です。
STEP 03
洗練と削減
Refine & Reduce
本質だけを残すまで削ぎ落とす工程。この段階では、「加える」ことより「取り除く」ことに集中します。残ったものが、作品の核心となります。
STEP 04
発表と対話
Present & Dialogue
完成した作品を世界と共有する時間。しかし発表は終わりではなく、新たな観察と対話の始まりです。受け手からの反応が、次の創作の種を撒いていきます。